第5章 独裁者
それはそうだ。
椿は悟に言われたからスカートを履いたまでだ。
その服装は悟と会う時のみだけだと、どうやって気付けば良いのだろうか。
「…私に要望があるなら、ちゃんと言葉にしてよ。」
言わなくても分かるだろう。
自分達はそんな間柄じゃ無い。
「……僕達には時間が必要な様だな。」
「時間?」
悟の言葉に不可解な顔をして見上げる椿に、悟は太ももにあった手を彼女の腰に回した。
そしてそのまま仁美を抱き寄せる。
「もっと、一緒に過ごす時間だよ。」
椿の顔に悟は自分の顔を近づけた。
キスが出来そうな程近付く悟に、椿の目が歪んだ。
女の子に顔を近づけて、こんなに嫌な顔をされるのは初めてだ。
その椿の表情に、悟は更に苛立ちを覚える。
「本当に椿が潔白かも試さないと。」
椿が潔白だと分かっているのに、悟はワザとそう言った。
そして悟の唇が椿の唇に触れると、悟は強く椿を抱きしめる。