【ヒロアカ】Until You Live【爆豪勝己】
第3章 【二巡目】
爆豪は透を見下ろした。身長差約二十センチ。山吹の瞳が真っ直ぐこちらを見上げている。
一巡目で透が持ってきたあのプレゼント。あのラッピングの中身が何だったのか。確かめなければならない。確かめて、爆発物を排除しなければ、また同じことが起きる。
しかし透に「お前そのプレゼントどこで買った」と聞けば、なぜ買う前から知っているのかという話になる。
頭が高速で回転していた。
「……水無月。お前、明日なんか買い物行く予定あるか」
「え、あー、一応、明日三奈ちゃんと出かけるけど……」
透が不思議そうに首を傾げる。
「プレゼントとか、買うな。知らねぇ店で。絶対に。てゆうか何も買うな」
意味がわからないだろう。脈絡もない忠告。だが爆豪にとっては、命に関わる警告だった。
透は目をぱちくりさせて、困惑した顔をする。
「え、えぇ? プレゼント? なんで? 誰かにあげる予定なんて……」
そうだ、まだ透は爆豪の誕生日を知らない。つまり、現時点ではプレゼントを買う理由がない。当然だ、二日後が件の四月二十日なのだから。
自分が焦りすぎて先走ったことに気づき、爆豪は額を手でがばりと覆った。
まだ何も起きていない。明日、透が出かけなければいい。知らない店で買わなければいい。だが、「知らない店で」という言い方は不自然だった。
爆豪は脳内で必死に言い訳を組み立てる。
深く息を吸って、吐く。声のトーンを無理やり平静に戻した。
「最近物騒だろうがよ。雄英の生徒が街でうろついて、変なモン掴まされたらどうすんだっつってんだ」
苦しい言い訳だった。しかし透は、人の言葉を無碍にできない性格でもある。
じっと透を見据える爆豪。赤い目の奥で、必死に次の手を考えていた。
「そ、そうなの? そっか……、じゃあ、三奈ちゃんにも伝えておくね?」
困惑しながらも、透は「爆豪は優秀だから時事にも詳しいのだろう」という謎の持論で、彼の言葉を信頼した。