【ヒロアカ】Until You Live【爆豪勝己】
第3章 【二巡目】
ほっと息をつきかけて、すぐに引き締める。「三奈ちゃんにも」が引っかかった。
「待て。行くなって言ってんだよ。お前も芦戸も」
更に不自然になった。普段の爆豪なら「勝手にしろ」で終わる話だ。
さすがに亜樹も眉を寄せる。
「えー……でも、もう約束しちゃったし……」
「約束なんざ知るか。キャンセルしろ」
横暴が過ぎる。だが亜樹が反論しようと口を開いた瞬間、寮の玄関が開いた。
「透ー! 明日どこ行くー? 駅前の新しい雑貨屋さんも行きたいんだけど!」
爆豪にとって最悪のタイミングだった。当の芦戸三奈が満面の笑みでキッチンに入ってきた。その手にはスマホ、画面にはショッピングモールのフロアマップが表示されている。
芦戸は爆豪と透の尋常じゃない距離感を見て、一瞬でニヤッと笑った。
「あれー? なんかいい雰囲気?」
爆豪の口からチッと大きな舌打ちが漏れる。
「あ、じゃあ爆豪くんも行こうよ。せっかくだし」
透が、ぽんと閃いて提案を口にした。
その瞬間、爆豪の思考が瞬時に駆け巡る。
一巡目の記憶がフラッシュバックした。あの、やたらと落ち着かなかった期間。共有スペースで芦戸と透が「出かけた時に、すっごいいい物見つけようね!」「爆豪くんには内緒だよ!」と楽しそうにコソコソ話しているのを盗み聞きし、それが自分のための誕生日プレゼント選びだと知って、内心の喜びを隠すように一人口角が上がるのを必死に堪えていた、あの忌々しい自分の勘違い。