【ヒロアカ】Until You Live【爆豪勝己】
第2章 【一巡目】
視線が泳ぎ、器に残った溶けかけのアイスを見つめながら、爆豪は掠れた声を絞り出した。
「……お前は」
「私は六月……、あ!じゃあさ、私が一番最初に知ったんだから、当日は一番にお祝いするね!」
いいことを思いついた、と言わんばかりの満面の笑みで、透が机の向こう側から身を乗り出してきた。
身を乗り出した透との距離が、心臓が止まるほど近い。あの山吹色の瞳が、すぐ目の前にあった。
「勝手にしろ」
声はどこまでも不愛想だったが、その口元は微かに緩んでいた。
「一番に」という言葉が、自分の心にこれほどまで深く効くとは思わなかった。
「零時ピッタリに、爆豪くんの部屋にお祝いしに行くから、起きててね」
その言葉に、爆豪はカッと目を見開いた。
「深夜に男の部屋に来る気かよ、危機感なさすぎだろクソが!!」
怒鳴りつけるような大声だったが、それは怒りではなく、純然たる心配だった。深夜に一人で男子棟の部屋に来ることの意味を、この少女はまるで分かっていない。無防備さに頭を抱えたくなる。自分の身の安全についてなおざりなヤツなんだと、爆豪は改めて痛感させられた。これでは、前回のあの事故の時だって――。