【ヒロアカ】Until You Live【爆豪勝己】
第2章 【一巡目】
二人は無事に寮へと到着し、共有キッチンで爆豪がバニラアイスを作り始めた。
手際よく牛乳と砂糖、そしてバニラエッセンスを混ぜ合わせ、手慣れた動きで鍋を火にかける。
透はカウンターにちょこんと頬杖をつきながら、爆豪の無駄のない手つきをじっと眺めていた。
「手慣れてるねぇ」
爆豪はヘラで中身を混ぜながら、ぶっきらぼうに返す。
「レシピ通りにやりゃ、誰でもできんだよ」
「良い旦那さんになりそう」
透が目を細めて、何気なく笑った。
その瞬間、爆豪の手元が大きく狂って鍋が跳ねた。咄嗟に鍋を押さえたものの、熱い飛沫がいくつか手首にパシャリとかかる。
「っ……変なこと言ってんじゃねぇ!!」
耳まで真っ赤になっているのを隠すように、爆豪は木べらを持った腕を自分の口元に当てた。
その時、タイミング悪く切島と上鳴が共有スペースにひょっこりと顔を覗かせた。
切島が鼻をひくつかせる。
「お、なんかいい匂いすんな! 何作ってんの?」
続いて上鳴が目を丸くした。
「え、アイス!? 爆豪が!? マジで!?」
爆豪は振り返りもせず、怒気を孕んだ声で言い放つ。
「来んな。散れ」
しかし、二人はへへっと笑って一歩も引き下がる気配を見せない。
「いいじゃん、俺らにもくれよ!」と切島が言えば、
「つーか爆豪、顔赤くね?」と上鳴がニヤニヤしながら突っ込んでくる。
爆豪の怒りに呼応するように、コンロの火がゴウッと勢いを増した。殺意の炎が比喩ではなく、物理的な熱量となって周囲に広がる。