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【ヒロアカ】Until You Live【爆豪勝己】

第2章 【一巡目】


次の日の放課後。亜樹が体操服に着替えてグラウンドBに足を運ぶと、爆豪はすでにそこに到着していた。

腕を組み、仁王立ちの構え。ジャージのポケットに両手を突っ込んだまま、近づいてくる亜樹の姿を鋭い赤い瞳で捉える。

「遅え」
実際には指定時刻の三分前だったが、どうやら文句をつけずにはいられない性分らしい。

爆豪は首の骨を軽く鳴らした。
「まず確認だ。お前、水の操作範囲はどのくらいだ。量は。精度は」

実践的な質問だった。前回の記憶がある分、爆豪は亜樹の能力の長所も短所もすでに完璧に把握している。だが、それを今口にすればあまりにも不自然だ。だから、初めて聞くふりをして問いかけた。

「えと、キャパはプール一杯分くらいで、空気中というか、身の回りにある水分を操れるよ。体内から放出するわけじゃなくて、あくまで外にあるもの。でも、キャパを超えると私が脱水症状になっちゃう」

爆豪は短く頷いた。知っている情報を『今初めて聞いた』ような顔を作るのは、思った以上に神経を使った。

「プール一杯分か。なら量は十分だな」
掌からパチパチと小さな爆破を起こし、火花を散らす。

「俺の爆破はどっちかといえば近距離向きだ。お前は中〜遠距離で動ける。相性は悪くねえ」

合理的な分析に聞こえるが、要するに『互いの弱点を補い合える、自分が隣で守れる組み合わせだ』と言いたかった。前回の戦闘訓練でデクと組まされた時とは違う。今回は、自分が一番近い場所で彼女を守れる。

「まず、お前が水の壁を作れ。俺がそこに爆破をぶち込む。威力の調整を見る」

スパーリングではなく、徹底した防御訓練。攻撃ではなく『守ること』に重点を置いたメニューだ。前回の帰り道で起きたあの悲惨な事故を想定すれば、防御力の向上こそが今最も必要なトレーニングだった。亜樹にはその真意など伝わらないだろうが、それでよかった。
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