【ヒロアカ】Until You Live【爆豪勝己】
第2章 【一巡目】
グラウンドに出た一年A組の面々に、相澤がルールを説明する。
爆豪はすべての種目を淡々とこなしていった。ボール投げでは爆破の勢いを乗せて、前回と寸分違わぬ『705.6メートル』を叩き出す。他の種目でも圧倒的な成績を維持した。
周囲が驚愕の声を上げる中、爆豪は無表情のまま、黙々と次の測定へと動き続ける。
緑谷が目を輝かせて近寄ってきた。
「す、すっごいねかっちゃん! ほぼ全部トップじゃん!」
「当たり前だ」と言いかけて、口を閉じた。前回の自分ならそう吐き捨てていただろう。だが今は、そんな無駄な虚勢に構っている余裕などない。
爆豪の視線は、自然と透の姿を探していた。
ちょうど彼女がボールを投げるところだった。水の勢いを乗せた一投が、そこそこの記録を弾き出している。
前回は、透の成績などまともに見ていなかった。だが今回は、一挙手一投足に意識を向ける。――中の中。目立たないが、悪くもない。彼女は確かにその位置にいた。
電光掲示板に結果表が表示される。総合順位、三位・爆豪勝己。前回と同じ結果だ。
その画面を見つめながら、爆豪は前回の記憶を必死に手繰り寄せていた。
(あの事故の日まで、あと何日ある。どうすれば防げる。どう動けば確実に助けられる……!)