【ヒロアカ】Until You Live【爆豪勝己】
第2章 【一巡目】
爆豪が教室に到着した頃には、ほとんどの生徒がすでに席に着いて談笑していた。
教室に入ってきた爆豪の姿に気付いて、透が小さく手を振る。爆豪はその姿を一瞥しただけで、無言のまま自分の席に着き、鞄を乱暴に机に置いた。
教室内には初日特有のぎこちなさと期待感が入り混じった空気が漂い、あちこちで自己紹介が繰り広げられている。
緑谷が、おどおどした様子で前の席の爆豪に話しかけようとしては引っ込め、を三回ほど繰り返していた。
爆豪はその視線に即座に気づき、鋭く睨みつける。
「何見てんだ、クソデク」
「ひっ……!」
緑谷はびくんと肩を竦めて、慌てて目を逸らした。
そこへ、教室の前方から相澤が現れた。寝袋から這い出た長身の男が、気怠そうな目でクラスを見渡す。生徒たちの私語が一瞬で静まり返った。
「はい、静かに。これから体操服に着替えてグラウンドに出ろ。個性把握テストを行う」
ざわめきが広がる中、相澤は淡々と説明を続けた。このテストの結果が、今後のクラス内での立ち位置を大きく左右することを、まだ誰も知らない。
だが、爆豪だけはすべてを知っている。この後の流れも、自分が出す結果も、クラスメイトたちの個性の詳細も。