【ヒロアカ】Until You Live【爆豪勝己】
第2章 【一巡目】
「え! 同じクラスなの? ばくごう、くん……爆豪くん、よろしくね!」
透は屈託なく笑った。何も知らない、無垢な顔で。
その「よろしくね」の声が鼓膜を叩いた瞬間、爆豪の視界が歪んだ。涙を押し殺すように、さらに強く奥歯を噛み締める。
「……おう」
それだけ返すのが精一杯だった。爆豪は透に背を向け、早足で歩き出す。これ以上ここにいたら、自分の感情が爆発して、何をしでかすか分からなかった。
教室へ向かう爆豪の背中を、透は不思議そうに見送っていた。「怒っているのか何考えているのか、よく分からない人だな」と思いながら。
人気のない階段の踊り場で立ち止まった爆豪は、感情のままに壁を殴りつけた。鈍い音とともに拳の皮が裂け、赤い血が滲む。
(やり直せってのかよ、クソが……!)
だが、その赤い瞳には、絶望だけではない鋭い光が宿り始めていた。あの最悪の結末を知っている。何が起きるかも、いつ起きるかも、全部この頭に入っている。ならば――。
(二度と死なせねえ。絶対に、だ)