【ヒロアカ】Until You Live【爆豪勝己】
第2章 【一巡目】
「……水無月?」
「え、?」
山吹色の瞳が、キョトンと金髪の少年を見上げる。
爆豪は息を呑んだ。目の前にいる。生きている。あの山吹色の瞳が、確かにこちらを見ている。
「お前……!!」
反射的に手が伸び、透の肩をがっしりと掴んでいた。
突然の奇行に、透は驚いて目を丸くする。
肩を掴んだ手に、確かめるようにギュッと力を込めた。温かい。血が通っている。本当に、ここにいる。
「……お前、生きてんのか」
透が困惑の表情を浮かべているのも構わず、爆豪の赤い瞳は、食い入るようにその顔を見つめ続けた。
廊下を通りかかった生徒たちが何事かと振り返るが、今の爆豪にそんな周囲の視線を気にする余裕など一ミリもなかった。
「え、えと……。ごめんなさい……誰だっけ……?? どこかで会ったこと、あったかな……」
透は、目の前に立つ男子の威圧感に戸惑いながら、おずおずと尋ねた。
その言葉を聞いた瞬間、肩を掴んでいた爆豪の手から、ふっと力が抜けた。
「……は?」
どういうことだと目を見開く。認識が追いつかない。
「おい、テメー。なんの冗談だ」
透は首を傾げて、困ったように眉を下げた。
「冗談……? あの、ごめんね、本当に分からなくて。もしかして、入学式で席が隣だったとか……?」
透の反応は、決して演技ではなかった。本気で目の前の金髪の少年に心当たりがない、という顔をしている。