【ヒロアカ】Until You Live【爆豪勝己】
第1章 .
横断歩道の向こうから、見覚えのある人影がこちらへ歩いてくるのが見えた。緑谷出久が買い物袋を提げて、きょとんとした顔で二人を見ている。
ピキリ、とこめかみに青筋が浮かび、思わず爆豪の足が止まった。
「見てんじゃねーよ、クソナード!!」
――瞬間。
ゴウっ、という悍ましい突風が吹き荒れ、爆豪の金髪を強く薙ぎ払った。
その一拍後、鼓膜を破らんばかりのグシャリという鈍い破壊音。
そして、頬にかかった――生温かい、大量の液体。
「……は?」
緑谷を睨みつけていた目線が、ゆっくりと目の前の横断歩道へ向けられる。
視界に飛び込んできたのは、赤い塊。
美しい白い髪の毛が、ジワジワと、禍々しい赤に染まっていく。
目の前にある、これは何だ?
分かっている。分かっているのに、脳がその現実を受け入れることを拒絶していた。
遠くで緑谷が何かを狂ったように叫んでいる気がしたが、爆豪の耳には、痛いくらいの静寂しか届かない。