【ヒロアカ】Until You Live【爆豪勝己】
第1章 .
「はーーー、疲れた……!」
透がその場に座り込む。
爆豪は、洗い場から持ってきたばかりのタオルを無造作に投げ渡した。自分が使うつもりだったものだ。
「水分補給しろ。そこでぶっ倒れられたら面倒だ」
壁に背を預け、水を飲む透を眺める。本人は見ていないつもりだったが、視線は完全に釘付けになっていた。汗で額に張り付いた白い髪、上気した頬、首筋を伝う透明な水滴。その全てから目が離せない。
ルーム内の水は既に排水口へ流れ始めていたが、二人が立つ中央付近には、まだ薄く水の膜が残っている。夕方の日差しが窓から斜めに差し込み、水面がキラキラと黄金色に光っていた。
「今日はありがとう。てゆーか、コンビニ行こうよ。お礼にアイス奢る!」
透はタオルで顔を拭きながら、屈託なく笑った。
『お礼』という言葉に一瞬だけ眉を寄せたが、アイスという単語に反応して腹が鳴りそうになる。
「別に礼とかいらねえ。……まあ、テメェの奢りなら行ってやらんこともねえ」
そう言って先に歩き出す。振り返りはしないが、その歩幅は明らかに、後ろを歩く透に合わせて小さくコントロールされていた。