第2章 →ほーじ茶。5月
『おかえりー』
蔵のベッドに寝っ転がり自部屋かよと思うくらいのくつろぎ様。特に雨でする事もなく勉強する気にもならない。
「ただいま」
そう言う蔵は先ほどの変な蔵ではなくいつもの様子に戻っている。あまり口を出さない方がええかもしれん。
『する事ないし帰るな』
「お、おん。」
ベッドから立ち上がりドアノブへと手をかける。
今、後ろを振り向かなければ何か起こる気がする。
そう思い後ろを振り返った。
『あっ』
後ろを振り向くと蔵が近くまで来ていた。
先ほどまではベッドの側にいたというのに。
『なっ、何?』
「いや、何もあらへん。すまん」
そう言うとヘラっと笑いベッドの側へと戻っていった。
今日の蔵は変や。戻ってきた時はいつもの蔵に戻ってたはずやのに、どうしたんやろ。。。
そう思いドアノブに手をかけ部屋を出た。