第2章 →ほーじ茶。5月
「別に予定はないけど」
ハラハラしていた私とは裏腹に、一氏くんは平然と応える
『え?まじで?』
「まじで」
今のあたしはきっとあほ面であろう。
思っていなかった言葉が出てきたからだ
一氏くんはというと、なんやねんって感じの顔でこちらを見てる。
『予定ないんやったら一緒にどっか寄らへん?』
あー、絶対顔真っ赤や
あたしが一氏くんの事好きなのバレて欲しいようなバレて欲しくないような。
「ええど」
その言葉と同時にあたしの心臓は祭りでっせ!のごとく暴れたおしている
でも、後先の事を考えてなかった
お茶って言うても何話せばええのかわからない
あれ?これ、どうしようか
「おい、その顔はどこに行くか決めてなかったやろ」
ギクギク
あたしは両手で自分の頬を覆う
顔にでてたのかよ!!!!
『えへ、えへへへへへ』
とりあえず笑って誤魔化すしかない!
ヘラヘラ笑っていると一氏くんはため息を吐き、くるりと後ろを向いて歩き出した
『えっ!えっ????』
あたしはというとこの急展開についていけずあたふただ。
チラッと後ろを見た一氏くんはあたしとの距離に気付き眉間に皺を寄せる。
「はよ着いてこんと迷子になるど」