第8章 8
その後ハムサンドを食べていると高齢の夫婦が帰り支度を始めた。
安室さんは会計をするためにレジまで向かっていった。
「ねぇ、あなた。」
私の後ろに座っていた高齢の女性がイスから立ち上がると声をかけてきた。
「はい…?」
話しかけられると思っていなかったのでびっくりした。
「安室さんと仲がいいのね。」
「あっ…、よくしてもらっています。」
「2人の会話を聞いてると私もお爺さんとの若い頃を思い出したわ。」
高齢の女性は男性の方に目をやったが、やがて私に視線を戻した。
「安室さんは人気者だから大変だろうけど頑張ってね。」
「え?」
「ふふ。私あなたのこと応援しているからね。」
………応援?
「これからも仲良くね。じゃあね。」
「え?あっ、はい!えっと外雪が降っているのでお気をつけて。」
私はぺこっと頭を下げると高齢の女性は手を振ってお会計をして帰っていった。
レジの処理を終わらせた安室さんが戻ってきた。
「えっと、私は何を応援されたんでしょうか…。」
私は先ほど高齢の女性に言われた「応援」が気になった。
「さぁ、なんでしょうね。」
「安室さんにもわからないことってあるんですね…。」
私の中で安室さんはなんでもわかるスーパーすごい人なのだ。
安室さんは小さく苦笑いした。
「ふふ、もちろん僕にもわからないことはたくさんありますよ。」
そう言って高齢夫婦のテーブルの後片付けに向かった。