第8章 8
「それは褒め言葉として受け取っておきます。」
「はい、もちろん褒めています!」
「ふふ、ありがとうございます。柚希さんはよく見ていますね。」
「そうですか?」
「ええ。」
そういうと安室さんはハムサンド作りを再開した。
包丁で切られたハムサンドをお皿に盛り付けた安室さんは「お待たせしました。」と言って私の前に置いてくれた。
「やったぁ!ありがとうございます!」
私は久しぶりのハムサンドにかぶりついた。
美味しすぎてパクパクと半分くらい無言で食べた。
「ふふ…。」
安室さんの笑い声に、はっとして顔を上げた。
安室さんはカウンター越しに微笑みながら私を見ていた。
その笑顔に私の心臓がうるさくなった。
「美味しいですか?」
「はっ、はい!もちろんです!」
「よかったです。ちなみに隠し味わかりますか?」
「えっ!?なんだろ…。」
………さっきの作り方でなにか特別なものを入れてなかったような…。
「ヒントはパンに塗っていたマヨネーズにあるものを混ぜてるんですよ。」
ハムサンドをもう一口パクりと食べてみる。
先ほどよりマヨネーズの部分を意識しながら。
「マヨネーズに…。んー、辛くないし、すこしマヨネーズの酸味が少ない気がしました。…あっ!わかりました!はちみつじゃないですか?」
「おしいです。正解は味噌なんですよ。」
「みっ、味噌!?…それっておしいっていうんですか…?」
私は苦笑いしながら安室さんを見た。
「酸味が少なくした、まろやかになったという意味で、です。」
安室さんはくすっと笑った。