第8章 8
数分して安室さんは湯気が立つミルクティーを持ってきてくれた。
「おまたせしました。ゆっくりしてくださいね。」
「ありがとうございます。」
安室さんからミルクティーを受けとる。
少し冷えた手にカップの暖かさがダイレクトに伝わってきた。
毎回一口は絶妙な甘さとまろやかさにホッとなり力が抜けてリラックスする。
魔法のミルクティーのようだ。
そういえば尾行中も安室さんのこと魔法使いみたいだと言ったのを思い出した。
たしかあの時は
「笑顔になれるなら魔法使いにでもなります。」
そう言ってくれた。
………深い意味はない。元気付けようとしてくれただけだとわかっているけど。
なんか思い出したら顔が赤くなってきた気がする…。
顔だけがやけに暑い。
両手で顔をパタパタと仰いでふぅーっと息を吐いた。
「熱かったですか?」
「えっ?!」
「ミルクティーです。」
………っ、そっちか!びっくりした…。
「いっ、いえいえ!とてもちょうどいいです!最高に美味しいです!!」
安室さんは私の勢いに少し驚いたような顔をしたがすぐにふっと笑った。
「もし暖房とか暑ければおっしゃってくださいね。」
「お気遣いありがとうございます!…大丈夫です!」
………安室さんはいちいち優しい…。