第7章 7
あの尾行の後彼女のことを少し調べた。
22歳で警察学校を卒業して、爆発物処理班として勤務していたのは1年にも満たなかったようだった。
松田の殉職の後、爆弾解体中に発作が起き、近くにいた他の処理班によって解体された。
………あの日彼女が話してくれた内容だった。
彼女はもともと優秀で爆弾処理に長けていた。
たくさんの爆弾を解体した記録も残っていたが、トラウマを抱えたまま解体は難しいと判断した彼女は自主退職したと。
………今彼女は何をしているだろうか。
トラウマのことを思い出して泣いていないだろうか。
元気に過ごしていてくれればいいのだが。
そう思いながらも、僕は彼女の笑顔を思い出していた。
ーーーーー
その日は意外にも忙しく代わる代わるお客さんがやってきた。
料理、ドリンク、デザートを作り、その合間に片付けや掃除などを梓さんと協力しながらこなしていった。
やっとお客さんが減りすこし落ち着いた。
もうすぐ午後3時。
またお茶をしにくる人達が増えてくるだろうか。
それまでに片付けをしておかないと…。
テーブルの上の皿やコップを集めて流し台に運び、テーブルを台拭きで拭く。
ーーーカランカラン
ドラベルが鳴る。
ドアの方を見て一瞬目を見開く。
………来た…。
気づけば安堵していた。
「いらっしゃいませ。お好きな席に座ってください。」
「こんにちは。」
彼女はニコニコしながらいつものカウンターの端に座った。
side安室透 end