第10章 10
「えっ!いいんですか?」
「ええ、いいわよ。」
「ありがとうございます!じゃあ柚希ちゃんはこっち!」
お客さんにスマホを預けると梓ちゃんは私の隣にきた。
「安室さんも!もう少し柚希ちゃんの方に寄ってください!」
「…!!」
「失礼しますね。」
そういうと私の方に一歩近づいた。
………あの時の…、尾行の時と同じ距離…。
肩がぶつかりそうだ。
私の心臓がうるさくなる。
この音が2人に聞こえないだろうか…。
「ふふ、柚希さん、リラックスですよ。」
「はっ!」
「そうそう、柚希ちゃん笑って!掛け声はクリスマスだから、メリークリスマス!とかにしましょう!」
「はっ、はい!」
「じゃあ写真撮りますね。」
「はい!じゃあ、みんなせーので〈メリークリスマス!〉で!」
「せーの!」
「「「メリークリスマス!」」」
ーーーカシャ
「はい、こんな感じに撮れたけど大丈夫?」
「わぁー!ありがとうございます!」
「たいしたことじゃないわ。ふふ、メリークリスマス。」
安室さんは女性に「ありがとうございます。」と軽く頭を下げていた。
「いえいえ、素敵なクリスマスを。」
そう言って女性は微笑んで席に着いた。
………素敵な大人の女性だ…。ああいうさりげない気遣いができる人素敵だな。