第6章 6
安室さんの車を見送ってから冷えてきた冬の夕方を足早に進んでいく。
平日のこの時間は帰宅をするサラリーマンや学校の帰りの学生など様々な人がいた。
今は12月。もうすぐクリスマスだから所々飾り付けが施されたツリーやイルミネーションが見えて綺麗だ。
そんなことを考えているとマンションが見えた。
がちゃっ。
「ただいま。」
家のドアを開けてコートとマフラーを取り洗面台に来た。
手を洗うとした時ふと思った。
今日はたくさん手を繋いだな…。
………手洗うのもったいないな…。
そう思って鏡をみた。
鏡に映る自分の顔は少し赤くなっていた。
ここにもキスされた…。
あれは深い意味はないようだった。
でも私はすごくドキドキしたな。
今日のことを鮮明に思い出すと体温が急上昇するようだった。
………暑っ。エアコンいらないかも…。
私はゆっくり蛇口を捻って手を洗ってうがいをした。
「流石に手は洗わないとね…。」
でも顔はもう少しこのままで…。
部屋に戻り、少しぼんやりとしていたが熱が冷めた体はやはり冷えてきた。
私はエアコンのリモコンを手に取り電源を入れた。
ゆっくりと生暖かい風がエアコンから出てきて、私はそっと棚の上に飾っている3人で撮った写真を手に取った。
そしてベッドに腰掛けた。