第6章 6
彼女は松田と萩原が亡くなったこと、爆発物処理班のこと、松田の殉死を目の当たりにしてしまったことを話してくれた。
時々詰まったり、震えたり、手に力が入ったりしながら頑張って伝えてくれた。
彼女の苦しい思い、後悔を知った。
………彼女はいまでも自分を責めているのか。
彼女の呼吸が乱れ、指先が震える。
それを止めたくて僕は手を彼女の手に重ねた。
彼女の手がぴくりと動いた。
でも振り払うことはせず、静かな時を過ごした。
そうしていると彼女の呼吸が落ち着いてきた。
「辛かったですね…。」
その言葉を聞いた彼女はどこかほっと肩の力をが抜けたように感じた。
………あいつらにとっても彼女にとっても爆弾という言葉は深く関わりがある言葉だ。彼女があいつらを思い出すときにはいつも片隅にその言葉を思い出して少なからず彼女は傷つけているだろう。
…でもきっと松田も萩原も…
「柚希さんにそんな顔してほしいとは思っていないと思います。笑える日が来てほしいと願うんじゃないでしょう?」
今でも自分のせいだと思っている彼女をお前らはどう思っているんだろうな…。
きっとあいつらのことだ。
柚希さんには幸せになってほしいと思っているだろう。
だから…、
「柚希さん自分のことをすこし許してあげてください。」
そういうと彼女はすこし困惑したような表情をした。
きっといままでそんな事を思ったことはなかったのだろう。
「あなたはとても頑張ったんだと思いますよ。」
彼女は目を潤ませ、いまにも涙が溢れてしまいそうだ。
彼女はとても頑張った。
必死にあいつらの死と向き合おうともがいている。
いつか彼女と笑ってあいつらのことを話し合いたいと空想を思い描きながら彼女の手に重ね続けた。