第5章 5
「話してくれてありがとうございます。……辛かったですね。」
それだけの言葉なのに今まで胸のうちにしまっていた思いをわかってもらえたようで心が少し軽くなるようだった。
「大切な人を目の前で失ったことも、間に合わなかったという後悔も……、なかなか受け入れることできませんよね…。」
安室さんは穏やかな表情でこちらを見据えている。
でも目は真剣で伝えてくれる。
「でもきっと幼馴染の方たちは柚希さんにそんな顔をしてほしいとは思っていないと思いますよ。」
「え?」
「笑える日が来てほしいと願うんじゃないでしょうか。」
………笑える日が…?そんな考え思い浮かぶこともなかった…。
「後悔してしまうのは大切な人だったからですよね…。お2人のこと大好きだったんですね…。」
安室さんは小さな微笑む。
「だから後悔ばかりしないでください。それに…。」
顔をあげて安室さんを見る。
「柚希さん自分のことを少しは許してあげてください。」
私を見つめる瞳はどこまでも優しかった。
「全て自分が悪いと思わなくていいんですよ。あなたはとても頑張ったんだと思いますよ。」
その言葉に目の前がじわりと滲んだ。
安室さんはその後黙ったまま私の手を握り続けてくれた。
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「………安室さんありがとうございます…。落ち着きました。」
私がそういうと安室さんは微笑んでくれた。
「いえ。話してくれてありがとうございます。」
その穏やかな声で私の肩の力が抜けた。
「………不思議ですね…。」
「え?」
「安室さんはいつも私を落ち着かせてくれますね。まるで魔法使いみたいです。」
「ふふっ…。そんな風に言われたのは初めてです。」
安室さんは肩を揺らしながら笑った。
「そうですね…。柚希さんが笑顔になれるのなら魔法使いでも何にでもなりますよ…。」
不意に向けられた優しい瞳に鼓動が高鳴った。