第4章 4
「……もしかして猫に嫉妬したんですか。かわいいですね。じゃあ、その分ちゃんと構ってあげますよ」
咄嗟に合わせた冗談だと分かっているのに、心臓が勝手に跳ねる。
顔を隠すように、繋いでいない手で頬を押さえた。
「……その可愛いことを言う唇、少しだけ黙らせたいですね。こっちへ」
人目を避けるように、安室さんは自然な動きで小道へと誘導した。
――――――
少し歩いたところで足を止める。
先ほどまでの冗談の空気が、わずかに静まった。
「…柚希さんありがとうございます。すこし驚きましたが助かりました。先ほどの僕たちの会話を聞いてターゲットたちは電車に乗っていたのとは別人だと判断したようです。」
「よっ、よかったー…。急にすいませんでした。咄嗟に考えたことだったので、わたしもドキドキでした。合わせてくれた安室さんさすがです!」
「柚希さんが千葉から来たといってくれたおかげですよ。あの電車千葉方面から来るとき乗りませんから。」
「探偵の安室さんから褒めてもらえるなんて喜ばしいことです!役立ってよかった!あっ、そろそろ行かないと写真撮れませんよね?いきましょ?」
繋いだままの手を引いた、その瞬間——
安室さんに、逆に引かれた。