第4章 4
「はっ、はい!」
安室さんから移動することを告げられたのでコップの中のドリンクをゴクリと飲み干し席にてお会計を済ます。
数分置いてから出口まで向かい、店員に「またのご来店をお待ちしております。」と言われ外に出た。
薄暗い室内から明るい外にでて目が眩む。
「大丈夫ですか?」と声をかけて私の手を引いて階段を上がっていく安室さん。
………紳士だな…。
階段を登り左方向に向かって歩いているとターゲットが浮気相手と手を繋いで歩いているのが見えた。
………えっ、タイミング良すぎない?…てっきり外で隠れて待ち伏せすると思っていた。
「ふふっ、柚希さん難しい顔してます。」
安室さんに指摘されてはっとして考えるのをやめた。
直接聞くのが1番だ。
「安室さんは相手の行動とか読めるんですか?すごいタイミングばっちりだなって思いました!すごいなって!」
安室さんはニコリと笑い、「まさか。勘は悪い方じゃないけどね。コレですよ、コレ。」と言いながら右耳の髪の毛を耳にかけた。
右の耳には黒いイヤホンがあった。
「盗聴器です。朝のうちに、依頼者の奥さんに仕込んでもらっていました。相手の行動や会話はこれで筒抜けなんです。まぁ、当人たちには申し訳ないですがね。」
「あっ、なるほど…!私てっきり安室さんの勘がものすごくいいんだとばかり…。」
………恥ずかしっ…。タイミングバッチリすぎたもんね。でも盗聴器とかってどこで手に入れてくるんだろう。探偵さんの仕事道具の1つなんだろうなー…。
てか、いままで気づかなかった私って…。
「柚希さんずっと僕の左側に居たので気づかないのも仕方ないですよ。コレのおかげで、さっきの店も……まあ、少し芝居を打たせてもらいました。」