第4章 4
side安室透
彼女の話を聞いた瞬間、点と点が繋がった。
…そういうことだったんだな、松田、萩原。
彼女はお前らの幼馴染だったんだな。
こんな偶然あるんだな…。それとも必然なのか。
もしかしてお前らが引き合わせた?いやそんなわけないか。
彼女はよくお前らのこと考えているようで、思い出し笑いしているよ。
けど、寂しそうな顔をすることもあるよ。
今でもお前たちのことが好きなんだろうな。
お前たちが逝ってから彼女は受け入れるまでどれほどの時間を費やしたのだろう。
親しいものを失うのはつらい。
頭では理解していても心が追いつくとは限らない
。
受け入れるのに気力も時間もかかる。
そんなことを考えていると僕の左手に柔らかな感触が伝わった。
一瞬思考が停止したがすぐに柚希さんを見るとなんとも言えない表情をしながら僕の手を両手で包み込んでいた。
すこし戯けてそのまま手を繋いでいる。
「安室さんさっきの話でなにか気に触ることありました?」
柚希さんが心配そうに聞いてくるので、なにもありませんと言っておいたがあまり納得していなさそうな表情だった。
………表情に出ていたか?ポーカーフェイス得意なんだがな…。まだまだだな…。
ーーーーーーー
その後も柚希さんとドリンクを飲みながらたわいもない話をしていると僕の右耳につけているイヤホンから会話が聞こえてきた。
『ねえ、そろそろ行く?』
『ああ、そうしようか。今日もこの後はいつものホテルでいいだろ?』
『うん。』
『じゃあチェックしようか。』
ターゲットたちは店を出てホテルに向かうという内容だった。
「柚希さん、そろそろ出ましょうか。」
side安室透 end