第4章 4
その後ベルを鳴らしてドリンクを頼んだ。
静かな空間で店の音楽だけが聞こえてくる。特に安室さんも黙ったままスマホで文字を打っていた。
ぼーっと音楽を聞いていると安室さんがふぅーっと息を吐いたのが聞こえた。、
ちらりと安室さんの方を見るとにこりと笑っていた。
「柚希さんお待たせしました。すいません、仕事の連絡をしていて。こっちおいで。」
次の瞬間肩に手を回され思わず体が跳ねた。
そのまま安室さんの方に引き寄せられ、私の頭が安室さんの鎖骨あたりにこつんと当たった。
肩を抱いていた手がするりと頭へ移動する。
優しく髪を撫でられて、思わず声が出てしまった。
「わっ…。」
………絶対赤い、私の顔。もうほんと急だよ、安室さん!てかドキドキして心臓が忙しすぎる。勘違いしそうになっちゃう。絶対ないのに、わたしのあほっ!
薄暗いお店でよかった。これはカップルのフリだと言い聞かせながら頬の熱を両手で冷やす。
その間も安室さんは私の髪の毛を撫でたり毛先をくるくる指に絡ませて遊んでいて、安室さんの作り出した甘い雰囲気に私の心臓はうるさいくらい鳴っていた。
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ーーコンコン
個室のドアがノックされ、店員がドリンクを持ってきた。
店員は私たちの様子をみても慣れた様子で対応して出て行った。
いろいろなカップルをみている店員にバレてなくてよかった。
「さぁ、じゃあ乾杯しましょうか。」
安室さんは探偵業中で車ということでノンアルコールを頼んでいた。
私も一応雇われの身なのでノンアルコールにしておいた。迷惑かけたら困るから。
グラスを合わせてチンっと音を立てて安室さんと乾杯してから一口飲む。
グラスを傾けると、爽やかなマスカットの香りが鼻をくすぐった。
ソーダの刺激が喉を通り、熱くなった体の熱がすっと引いていく。