第4章 4
「こちらの個室をお使いください。なにかありましたら中のベルでお知らせください。」
説明したあと店員はバーカウンターの中に入って行った。
安室さんと一緒に個室に入る。
漫画喫茶の個室のような広さで2人がけソファーとローテーブルが置いてあった。
その上にはメニューや先ほど説明のベル、灰皿などが置いてあった。
「意外と普通な感じなんですね。」
「ふふ、どんな想像してたんですか?とりあえず、こちら座ってください。」
安室さんに言われるがまま奥側に座ると隣に安室さんが座った。
………あっ、思ったより近い…。
ソファーは意外と狭くて少し動いたら肩が触れてしまいそうだ…。
近い距離に安室さんの香水の香りがふわりとして、緊張してしまう。
そんなことを考えているとまた安室さんがこそりと話しかけてきた。
「柚希さんここも監視カメラがあります。だからすこしカップルっぽく振る舞いますね。柚希さんは素な感じで大丈夫なので。もし、嫌なことがあればすぐ言ってください。」
「わかりました。声とかも撮られてるんでしょうか?」
「いや、たぶん音声はないでしょう。禁止行為をしてるかどうか見てるんだと思います。」
「なるほど。じゃあ会話の内容は聞かれないんですね。……もう、さっき外でびっくりしたんですからね…、監視カメラあるなら言ってくださいよー…。なんか私だけわぁーってなっちゃって恥ずかしかったです。」
この際だから文句を少し言っておく。
安室さんはキョトンとした表情をしてからくすくすと笑った。
「僕はそのまましたかったですけどね…、キス。」
思わず安室さんの方を見ると楽しそうにニコニコ笑っているだけだった。
………絶対面白がってる…。もう安室さんの冗談を真に受けると心臓がいくつあっても足りない。