第3章 3
side安室透
僕がバックヤードから出るとコナンくんが柚希さんの横に座って話をしていた。
「まったく、油断も隙もないですね。」
そういうとコナンくんは苦笑いしてた。
………コナンくんのことだ、柚希さんと僕の関係を探って組織の人間が確かめたんだろう。柚希さんに余計なことを言ってないといいが。まぁ柚希さんに聞いても気にした様子はないし大丈夫か。
僕がバックヤードから戻ってきて話しにくくなったのかコナンくんは蘭さんたちの席に戻り、柚希さんもスマホを見ながらミルクティーを啜り始めた。
程なくして蘭さんたちは夕ご飯の支度をするからと帰って行った。
僕はテーブル席の片付けをしてシンクでコップなどを洗う。
………そろそろ閉店の準備するか…。今日はこの後警察庁にも行かないといけない。
ほうきとちりとりで店先の掃除をし、アポロの看板をclosedにしてからそろそろ柚希さんにも声をかけようと思いながら店の先に入る。
「はぁ…はぁっ…。」
柚希さんの苦しそうな息が聞こえてきた。
駆け寄ると顔面蒼白で目を固く閉じたままガタガタと震えている柚希さん。
「柚希さん!柚希さん大丈夫ですか?!」
………なにがあったんだ?!僕が店を出るまでは何ともなかった。とりあえず、正気を取り戻させないと。
僕はもう一度柚希さんに呼びかけて、肩に手を置いて軽く」揺らすと、柚希さんは、はっと目を開けて僕のことをみた。
その後柚希さんは無理に笑顔を作る。
………顔が真っ青だ。そんな辛そうな顔で無理に笑うな…。
「大丈夫、大丈夫ですよ柚希さん。無理に笑わなくてもいいんですよ。」
いまにも泣きそうな彼女の頭を引き寄せて僕の胸に付け、軽く抱きしめながら背中をぽんぽんと優しく叩いていく。
side安室透 end