第3章 3
安室さんの驚いたような声を出したので私は安室さんの視線を追った。
「あっ。」
視線の先のスマホの画面には[急募!キャバ嬢募集、短期可、高時給バイト]の文字と共に煌びやかな画面が映し出されていた。
「…キャバクラでバイトなさるんですか…?」
「しっ、しませんよ!私キャラじゃないですし。時給どれくらいなのかなって少し見ただけです。」
べつになにも悪いことをしてないのになぜか焦ってしまった私をみて安室さんは笑った。
「ふふっ、残念です。僕だったら柚希さんこと指名しちゃいますけどね。」
「もう、そんなこと言って。安室さんは優しいし女性の扱い慣れてそうだからホストできそうですねー。」
「あーたしか少し前に潜入したことありますね。」
「え?潜入…ですか?」
「はい、僕アポロの傍ら私立探偵してまして、探偵業でホストに潜入したんですよ。」
………安室さんってすごい。探偵さんだったなんて。それに比べて私って…。もう、やけくそだ!ほんとは警察だったことを生かしてボディーガードとかそういう系がいいなって思ってたけど、もういろいろやってみよう。手始めに、
「やっぱりキャバクラで働いてみようかな…。」
「だめですよ。」
声に出ていたのか何故か安室さんから否定された。
ぱっと安室さんを見る。
先ほどまでの柔らかな表情は消えていた。
真剣な眼差しがまっすぐこちらを見ている。
その顔がかっこよくて、胸がどきりと高鳴った。