第10章 10
その後パタパタと手で顔を仰いだ。
「柚希さん、外はまだ雪も降っていますから気をつけてくださいね。」
「…はい!安室さんも忙しいとは思いますけどたまには肩の力を抜いてゆっくりしてくださいね。」
安室さんは少し困ったように笑った。
「……ありがとう、ございます。」
「じゃあ行きますね。」
私はレジまで行くと梓ちゃんが待っていてくれた。
「柚希ちゃんありがとうね!カチューシャ取っちゃったのね。」
「もうっ、梓ちゃんも教えてよー!」
「ふふ。なんか2人でお揃い付けて楽しそうにしてるのとっても可愛くて…。」
「………もう安室さんも梓ちゃんも…。」
「ほんとごめんごめん!気をつけて帰ってね。」
私はお金を支払い梓ちゃんが「またね。」と手を振ってくれた。
ドアを開けようとした時、
「ありがとうございました。」
そう、安室さんの声が聞こえて振り返ると優しく微笑んでくれていた。
私は小さく手を振ってドアに手をかける。
ーーカランカラン
ドアベルを鳴らしながら外に出る。
風がびゅっと吹き髪の毛がふわりと揺れる。
先ほどまでの暖かい空間が、もう恋しくなる。
私はマフラーに顔をうずめ小さく笑みを浮かべながら、ゆっくりと家路についた。