第10章 10
カウンターで作業をしていた安室さんが私に視線をやった。
「もう…お帰りになられるんですか?」
「はい。今日はもう帰ろうかなって。今日とっても楽しかったです!また近いうちに来ますね!」
「はい。いつでもお待ちしております。」
安室さんは忙しいのに手を止めて穏やかに笑ってくれた。
私はコートを着て、マフラーを付ける。
レジに向かおうとした時くすくすと笑った安室さん。
「柚希さん…、」
私の名前を呼ぶととても穏やかな表情で私の頭を指差した。
「へ?」
「ついたままです。」
「えっ…?………あっ!!!!!」
もしかしてと手を頭にやると触れた。
ふわふわとした、そうお揃いのカチューシャ…。
………私写真撮ったまま、ずっとそのままカチューシャつけてたの?!!
私はカチューシャをゆっくり外してカウンターの上に置いた。
「待って…。めっちゃ恥ずかしい…。」
………顔から火が出そう…。
両手で顔を隠す。
「ふふ。」
「安室さんも教えてくださいよ!いじわるです!」
「すいません。とてもお似合いだったので。」
安室さんは目を細めて微笑む。
「それに今日はクリスマスですから。」
「もうっ…。」