第10章 10
「見て!すごくいい写真撮ってもらえたよ!」
梓ちゃんがスマホの画面を私と安室さんの方に向ける。
「わぁ……っ!」
思わず声が漏れた。
画面には笑顔の3人が写っていた。
クリスマス仕様のバック背景に3人の被り物がいい感じだ。
穏やかに微笑んでいる安室さん。
両手でピースをして満面の笑みを浮かべる梓ちゃん。
そして中央に少し照れたような表情で笑っている私。
「…素敵な写真。」
「ええ、ほんとですね。」
ふと部屋に飾ってある写真を思い出した。
また大切な思い出が増えた…。
その後梓ちゃんと連絡先を交換して写真を送ってもらった。
その後は作ってもらっていたナポリタンを食べた。
少し冷めていたけど、それでも安室さんの作るナポリタンは絶品だった。
「美味しかったです!ありがとうございました!」
私の後ろを通り過ぎようとした安室さんに声をかけた。
「それはよかったです。いつも美味しそうに食べていただけて光栄です。」
「だって、本当に美味しいんですもん!」
安室さんが不意にペーパータオルを手に取った。
「ふふ、またここにケチャップが…。」
そう言って私の口の端についたケチャップを拭き取ってくれた。
「…っ!」
「前にもこんなことありましたね…。」
安室さんはすこし意地悪そうな笑みを浮かべた。
「かっ、勘弁してください…。」
「ふふ、すいません。」
そう言って何事もなかったようにカウンターに戻って行った。
………もう、私がテンパるのわかっててやってる…いじわるだ。