第10章 10
梓ちゃんは嬉しそうに笑っていた。
「そんなふうに…思っててくれたんだね…。」
梓ちゃんの隣に立つ安室さんもとても穏やかな表情を浮かべていた。
「それはこちらのセリフですよ。」
「え?」
「僕たちもあなたが来てくださるとお店の雰囲気も明るくなりますし。梓さんも僕もあなたの元気そうな顔を見ると安心するんです。」
「そっ、そうですか…?」
「ええ。」
「……そういってくださって私も嬉しいです。」
梓ちゃんは私と安室さんを交互に見てから小さくため息をついた。
「はぁ…、今日も2人のやり取りに癒やされちゃった。」
「え、僕もですか?」
「ふふっ。もちろんです!」
安室さんは一瞬照れたような表情を見せた。
「……そうですか。」
私は思わず視線を逸らし、照れ隠しにチョコレートミルクティーを口に運んだ。
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その後、お客さんは1組帰り、その代わり2組お客さんが訪れた。
梓ちゃんと安室さんは片付けやドリンク、軽食作りなどのため一旦お仕事に戻って行った。
カウンター越しにフライパンを振りながらナポリタンを作っている安室さん。
やっぱり手際がいい。
フライパンを振る姿も様になっていて惚れ惚れする。
そういえば、私アポロでパスタ類食べたことなかったな…。
ーーぐー。
そんなことを考えていたら私のお腹が鳴った。
ちらりと安室さんや梓ちゃんを見たけど、特にこちらを見ている様子はなかった。
………よっ、よかった…。
私は1人頬が赤くなるのを感じ、お腹に手を当てた。