第10章 10
ーーーがちゃ
しばらく安室さんと話をしているとバックヤードの扉が開いた。
「お疲れ様です!安室さん。お客さんもいらっしゃいませ。」
そう言ってエプロン姿にサンタクロースの帽子を被った梓ちゃんが笑顔で入ってきた。
「梓さんお疲れ様です。今日は冷えますね。」
「寒くて凍えそうだったよー。あっ、柚希ちゃんきてくれてたんだね!」
そう言って梓ちゃんは両手をさすりながら私に笑顔を向けてくれた。
「梓ちゃんこんにちは!あの、来て早々なんだけど…。」
私は梓ちゃんにもクッキーが入った紙袋を差し出した。
「これは?」
「クリスマスだからプレゼント。いつもお世話になってるから。」
「えー!いいの?」
「もちろん!メリークリスマス!」
梓ちゃんはぱっと花の咲いたような笑顔になった。
………なんて可愛いの…。これは世間の男子が黙ってないと思う!
「柚希ちゃんありがとう!!」
「喜んでもらえたみたいでよかった。」
「うん。すっごく嬉しい!あっ…、でもごめんね、私プレゼント用意してない…。」
梓ちゃんがすこし困ったように眉毛を下げた。
「えっ!そんなの気にしないで!本当にお世話になってるから渡したかっただけなの。それにもう2人がこうやって笑顔で私のことを受け入れてくれてる、それだけで十分なの。」
すこし照れくさかったけど、素直に気持ちを伝えたいと思えた。