第10章 10
コートやマフラーを取って椅子にかける。
プレゼントは大事に机の上に置かせてもらった。
いつものように安室さんがミルクティーを作るのをぼーっと眺める。
ゆらゆらと湯気が立つのを見ていると私の心臓も落ち着いてきた。
「柚希さん。」
ミルクティーを作る安室さんの手が止まった。
「はい…?」
「いつも、僕が作るミルクティーを美味しいと言ってくれてますよね?」
「はい、もちろん!安室さんのミルクティーは大好きです。」
「ふふ、いつもそう言っていただけて光栄です。あの、それで…、」
安室さんはクリスマス限定商品としてチョコレートミルクティーがあることを教えてくれた。
「飲んでみます?それともいつものミルクティーにチョコレートお付けしましょうか?」
「限定商品!私の好きなミルクティーに好きなチョコレートが組み合わされてる…。のっ、飲みたいです!よろしくお願いします!」
「ふふっ。ええ、かしこまりました。」
安室さんはカップの中にチョコレートを入れ、少しずつ暖かいミルクティーを注ぎ入れる。
そのあとスプーンでゆっくり丁寧にかき混ぜ、完璧にチョコレートを溶かしていった。
私は安室さんの手元をじっと見入ってしまった。
「柚希さんは本当にミルクティーがお好きなんですね。そんなに嬉しそうな顔をされると作りがいがありますね。」
そういうと安室さんは私の目をじっと見て、微笑んだ。