第10章 10
「ふふっ、笑っていませんよ。でもとっても可愛いですね!」
頭のカチューシャを指差す。
「笑ってるじゃないですか。まぁ、今日はクリスマスですから…。」
安室さんもクスッと笑った。
モーニングの時間が過ぎたからか、お客さんはテーブル席に2組だった。
男女のお客さんと女性同士のお客さんだった。
実は一つ懸念していた。
それは…
安室さんのことが好きな女子校生達と出くわさないか、だ。
………よかった、いなくて…。
女子の嫉妬って結構怖いから…。
一呼吸おいてから私はお気に入りの場所に行こうとしたけど…
そのカウンターの席には【予約席】と書かれたプレートが置いてあった。
「あっ…、予約席…。」
大好きな席が予約席ということで少し悲しい気持ちになったけど仕方ない。
私はカウンターの手前の席にしようかと席に手をかけようとした時、
「柚希さんこちらへどうぞ。」
安室さんは優しい表情で【予約席】の席に案内してくれた。
「え?でも予約席って…。」
「…今日来てくださる予定でしたから。柚希さんにはゆっくりしていっていただきたくて。」
「……っ!!そそそ、そんな…。あっ、ありがとうございます!」
嬉しさと驚きが一気に胸に広がった。
その後私の心臓がものすごい速さで音を立てるのを感じた。
安室さんはふふっと笑ってから「今日もミルクティーにされますか?」と聞いてくれた。
私は声が上擦りそうになったので、何度も首を縦に振った。
「そんなに勢いよく頷かれると、頭が取れてしまいますよ。」
安室さんはくすっと笑ってミルクティーを入れ始めた。