第9章 本心はどこにある?
私は、ドキドキしてるのを平気な振りして、片付けを再開してテーブルを拭き始めた。
太智君は、ソファから身体を起こして口を開いた。
太智君「あのさぁ、昨日なんだけど・・・」
ドキッと心臓が跳ねる。
「な、何?」
太智君「勇ちゃんとディナー・・・行ったんやろ?」
「あ、うん。・・・」
カラン
動揺してプラスチックのコップを落としてしまった。
コップを拾って洗う。
太智君「良かったやん」
「えっ?・・・な、んで?」
太智君「・・・勇ちゃんと一緒にディナーに行けて。・・・楽しかったんやろ?」
「・・・うん」
太智君は私がテーブルの上を拭いてる手首をガシッと掴んだ。
ドキッ
太智君を見つめる。
太智君は私の顔を覗いて
太智君「じゃあ、何でそんな顔してんの?」
「えっ?(ウルウル)」
太智君「楽しかったんやろ?・・・じゃあ、そんな顔してたら勇ちゃんに失礼やで?」
「そ、そうだよね(ションボリ)」
太智君「今頃、楽屋に ちゃんと俺、2人っきりでいるから勇ちゃん、ヤキモチ妬いてるんじゃない?全然、そんなんじゃないのにね(苦笑)」
「・・・だ、太智君だって・・・上手く行くと良いね?」
泣くのを我慢したから涙目になった。
太智君は、ソファに戻ったから隣に座った。
太智「・・・何の事?」
何の事?って・・・
彼女の名前(花蓮ちゃん)を言うのが、どうしても嫌で口から出て来ない。
声が出ない。
太智君は、隣でキョトンとしてる。
「あ、太智君の好きな・・・人と・・・上手く行く・・・様に・・・応援して・・・るから(ニコッ)」
笑顔を作ってみたけど上手く笑えたか分からない。