第16章 2人の間で揺れ動く恋心
〜side〜
太智君の誕生日会から、数日が経った。
私は、歌番組のスタジオに居てスタッフさんと打ち合わせ中。
あの日から、私は何となく落ち着かない日々を過ごしていた。
太智君に壁ドンされた時の距離。
そして、葉月ちゃんの告白。
結局、葉月ちゃんにどう返事したのか聞けてないままになっていた。
あれから数日経っている。
付き合ったのかな?
そう思うと、胸の奥がズキッと痛んだ。
打ち合わせ中だというのに、頭の中はそのことで一杯だった。
すると、後ろから声がした。
太智君「ちゃん、見っけ(笑)何や、スタジオに居たんかぁ。楽屋に居らんかったから、どうしたんかと思ったやん(笑)」
「……太智君」
振り返ると、太智君が立っていた。
太智君「さっきから打ち合わせ中やのに、ずっと難しい顔してるけど、どしたん?」
「別に……何でもないよ」
太智君「うそ!」
太智君が少し顔を覗き込んでくる。
近い。
ドキン――。
思わず一歩下がった。
すると太智君は、そんな私を見て少し笑った。
太智君「……逃げた」
「逃げてないよ」
太智君「逃げてるやん」
「……」
太智君は、しばらく私の顔を見つめていた。
そして、ふっと表情を変える。
太智君「……もしかして」
「え?」
太智君「葉月ちゃんのこと?」
心臓が大きく跳ねた。
図星だった。
太智君「やっぱり?」
太智君が少し嬉しそうに笑う。
「……違う」
太智君「違わない」
「……」
太智君「ちゃん、俺の誕生日会の翌日から何回も俺の顔見て、何か聞きたそうにしてたやん」
そんなに分かりやすかった……?
恥ずかしくなって俯く。
でも気になる。
どうしても聞きたい。
でも聞けない。。