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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第48章 【第四十三話】崩れゆくホーム



停止していた装置が再び唸り、青白い結界光が幾重にも重なっていく。

立方体。

光の檻。


「大丈夫ですか、室長!」

「……ああ」

コムイが、辛うじて答える。


檻の中で、レベル4はまだ笑っていた。

ティファの背筋を、冷たいものが這い上がる。



閉じ込めたのではない。


――入ってやった。

そう言われている気がした。


コムイが拳を固く握り締めた。
一度だけ目を伏せ、口元の通信機へ手を伸ばす。

「各班班長へ!」

張りつめた声が、回線へ乗る。


「一度しか言わないので、よく聞いてくれ」

通信機を握る指に、僅かに力がこもった。


「これより僕の指示に従い、各自、班員を誘導。方舟三番ゲートから、順次アジア支部へ避難を開始してくれ」

一拍置き、コムイは続けた。

「第五研究室にいるエクソシストの安否は、いまだ不明だ」

その唇が、一度だけ固く結ばれた。


「それでも、我々が今すべきことは、イノセンスを守り、全滅を回避することだ」

そして、迷いを断ち切るように言い放つ。


「――この本部から撤退する!」



ファインダーの一人が声を張り上げる。

「包囲を崩すな! 結界を維持したまま後退! 三番ゲートから引き離せ!」


「はい!!」

タリズマンを支えるファインダー達が、包囲の輪を保ったまま、三番ゲートとは反対側へ下がり始めた。



彼らの動きに合わせ、レベル4を閉じ込めた光の檻も、軋みながらじりじりと遠ざかっていく。


レベル4は抵抗する気配すら見せない。
檻の中央に浮かび、面白そうにその様子を眺めていた。


「行ってください、室長!!」

血に汚れたファインダー達の声が重なる。

「頼みます、室長……!」


コムイの唇が震えた。

「……すまない」

それだけ言うと、コムイはヘブラスカの待つ下層へ通じる昇降機を目指して走り出した。

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