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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第48章 【第四十三話】崩れゆくホーム



「ふたりとも!」

背後から声がして、振り返る。


婦長が、額に薄く汗を滲ませて立っていた。


「婦長!? ドクターやみんなも……」

医療班の人間が、何人も集まっていた。
奥のベッドには、包帯だらけの男が横たわっている。


「ここはクロウリーの病室よ」

婦長が、静かに言った。


「私達はまだ目覚めてない彼の担当なの」



もしかしたら、ここに――。

白い上着や見知った顔へ、ラビの視線が素早く走る。
けれど、探している姿はどこにもない。


「――ティファは?」

自分でも驚くほど、声が硬かった。

婦長の眉が、僅かに動く。


「ティファはまだ自分の病室にいるのか!?」


頼む、そうだと言ってくれ――。



婦長の唇が、僅かに開いた。


けれど、答えは返らない。

ラビがもう一度問いかけようとした、その時。
扉の向こうから、コムイの声が響いた。


「この医療区域に結界を張って、非戦闘員の避難場所にした」

淡々とした声だった。

「キミ達もここにいなさい」


「なっ……」
「神田くんやチャオジー達も、今捜してる」


第五研究室にあいつらを残したまま、ここで待ってろというのか。


ラビは、思い切り扉を叩いた。

「冗談じゃねェ! じじぃンとこ行く! 出せ!!」

「キミ達は今、武器がないだろう」


「だからさっさと直せっつったんだろーが!! 研究員増やせバカ!!」

叫んでも、扉は開かない。


自分でも分かっていた。

八つ当たりだ。


――イノセンスがなければ、外へ出たところで何もできない。

その事実が、余計に腹の底を焼いた。


隣で、リナリーが扉へ手をついた。

「ヘブラスカの所へ行かせて、兄さん!」

返事を待たなかった。

「私なら……っ」


ラビが顔を上げる。


「シンクロできれば、戦えるかもしれない……!!」


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