• テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第46章 【第四十一話】特別という祈り



自分自身へ。


「やめろ、ティファ!!」

ザシュッ――!!

白銀の刃が、ティファの脇腹を深く貫いた。


鮮血が、白い床へ飛び散る。


「っ、ぁ……!!」

激痛が、身体の奥を突き抜けた。



視界が白く弾ける。
膝が崩れそうになる。

それでも、ティファは両手で柄を握り締めた。

――これで。


血の混じった息が、唇から零れた。

「……これ、で……」

ラビの顔が、凍りついていた。


「……貴方を……斬らずに……済む……」

その言葉を聞いた瞬間、ラビの表情が歪んだ。


怒りとも、悲しみともつかない顔。



「……何、してんだよ……」

声が震えている。

「何で……オレじゃなくて、お前が傷ついてんだよ……っ!」



防護壁の向こうで、リナリーが口元を押さえた。

「ティファ……!」


アレンの顔からも、血の気が引いている。

神田は防護壁へ拳を押し当て、噛み潰すように吐き捨てた。

「何やってやがる……っ」



けれど。


どくん――ッ!!

『ニルヴァーナ』が、狂ったように脈打った。



ティファの瞳が、大きく揺れる。



止まらない。


自分の身体を貫いても。

血が溢れても。


喉元の光は、まだラビを排除しようとしている。



脇腹を貫いていた光の刃が、無数の粒子となって消えた。

「ぁ……っ」

刃が消えた途端、開いた傷口から鮮血が一気に溢れ出した。


空になった右手が、力なく下がる。


けれど、散った光は消滅しなかった。
無数の粒子が、再びその右手へ集まっていく。


白銀のレイピアが、何事もなかったように再構築される。


力なく下がっていた右腕が、再びゆっくりと持ち上がった。



切っ先は、またラビへ向けられていた。

/ 1148ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp