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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第44章 【第三十九話】優しい歌の檻



「ティファ!!」

鋭い声が、廊下を貫いた。


ティファの身体が、びくりと跳ねた。


顔を上げる。

廊下の向こうから、ラビが駆けてくる。


その後ろには、アレンとリナリー。
少し遅れて、神田の姿もあった。


四人の表情が、目の前の光景を捉えた瞬間に変わる。


廊下へ満ちる銀白の歌。
穏やかな顔で跪くファインダーたち。


そして、その中心で、泣きながら声を漏らしているティファ。


ラビの足が、一瞬だけ鈍る。


翠の瞳から、張り詰めていた光が抜けかけた。
歌に触れた心が、不自然な安堵へ沈みかけたように見えた。


けれど、泣いているティファを捉えた瞬間。

「……っ」

ラビは強く奥歯を噛み、再び地を蹴った。


ティファは反射的に後ずさった。
背中が、冷たい石壁へぶつかる。


「来ないで……!」

掠れた声が、喉から零れた。

久しぶりに出た声だった。


けれど、そこにあったのは喜びではない。

怯えだった。



ラビを傷つけるかもしれない。

ラビの気持ちまで、歌で塗り潰してしまうかもしれない。


そう思い、胸が潰れそうになった。


「ティファ、落ち着いてください!」

アレンの声が響く。

リナリーも、青ざめた顔で一歩踏み出した。

「ティファ……!」



どくん――!!


喉元で、『ニルヴァーナ』が強く脈打った。



銀白の光が、一気に広がる。



歌が、さらに深く廊下を満たした。

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