第6章 甘味昏々
「てか、そんなこと俺みたいなペーペーに言うなよ」
いや、そうなのかもしれないけど、頼れる人が他にいない。
いないこともないけど、家入さんってそういうのに手を貸してくれるタイプか?
まぁ、もしもの時の最終手段ではあるけど。
「ほら、からも頼んで!」
いくら日下部さんでも本人が頼みもしないのに動いてくれないだろうし…
けど、が素直に頭を下げるとも思えない…
「“日下部”先生♡お仕事“ちょーだい”♪」
はめっちゃ可愛い笑顔を浮かべて日下部さんにお願いしてた。
俺は手で目を覆った。
やった…
今、絶対やった…
「おう、わかった。任せろ……って、お前、今、術式使っただろ?」
「男に二言はないよねー、日下部?」
「物頼むならせめてさん付けしろ!」
もうこの二人、ダメかも…
「、ちゃんとしなきゃダメだって。とりあえず謝ろ」
「“日下部”先生♡ごめんね、“許して”♪」
「まぁ、今回だけだぞ……おい、狐塚ぁ!」
本当、もうやめて…
どうすりゃいいのか涙出そう…
「すみません!、たぶん照れてるだけなんです!」
「なんでアタシが日下部に照るんだよ」
中指立てるの手を必死に下げる。
ほら、日下部さん、怒りすぎて肩が震えてる。
ヤバいヤバいヤバいヤバい!
「……わかった…働けるように口聞いてやるよ…俺の下でその女狐根性叩き直してやる…」
え?
「やれるもんならやってみろ。逆に化かしてやんよ」
え?
「マジでお前、今の言葉覚えておけよ!おい、甘井!正式に採用決まったら連絡するからそれまでこの女狐ちゃんと見張っとけよ!」
そう言うと日下部さんはガタンと勢いよく立ち上がって、「まず楽巌寺学長に話通すか…」とかブツブツ言いながら部屋から出て行った。