第5章 旨いバランス
「…今までそんなヤツ見たことない……アタシがやめてって言っても、ヤダって言っても、やめてくれたヤツなんて…いなかった…」
「そうか…じゃあ、俺がそうじゃない男第一号だな。ハハ、やった」
「…バカかよ」
「いまさら?でも、そこだけは絶対約束する」
「…うん。あと…」
は少し気まずそうに、けどちょっとだけ拗ねたみたいな顔をする。
「アタシ、あんなに胸、大きくない…」
ん?あんな?
あんなって…あの画像の…?
「…くっ!」
「は?なに?」
「いや…でもそういうの気にするんだって…そんなの気にすることないのに…かわいい…」
あ、ヤバい。
思わず「かわいい」って言ってた。
「うっせー!バカにすんな!」
ちょっとだけ顔を赤くしたの罵声と同時にダンッて足を思いっきり踏まれた。
「くぅ…!」
モロ小指踏まれて激痛が走る。
けど、この盛大なツンは俺にとってはもうご褒美でしかないなんてに言ったらまたドン引きされるから言わない。
ただ、胸への誤解は解いておきたい。
「いや、胸は大きさじゃなくて…のであることが重要っていうか…ってか、も小さくはないし…バランスいい美乳だと思う!」
「変なフォロー入れんな!」
ダンッとまた足を踏みつけられた。
正直な感想を言っただけなのに…
は機嫌を損ねたみたいで大きく舌打ちをして横を向いてしまった。
俺、今褒めたのに…女心はわからない。
「だから、誰でも良いわけじゃなくてのに触りたいって言いたかっただけで…その…」
は横向いたまま、視線だけ俺に戻してくれた。
「の胸はナンバーワンじゃなくて、オンリーワンですよって話…」
「ホント、マジで黙れ」
「はい、スミマセン」
伝えたいことを伝えたいまま伝えるって難しいな…
でも、伝わらないなら伝わるまで何度だって言う。
いや、胸の話じゃなくてよ?
は溜息をつく。
呆れたっていうよりも話題を切り替えるためのもののようで、俺も気持ちを切り替えての言葉に臨む。
「でさ、じゃあ甘井はアタシと最初に何がしたいの?」
そう来たか…
今度も試されてる気になってくる。
望み過ぎもダメだし、望まな過ぎはもったいない。