第5章 旨いバランス
「…どこを、どう触るの…?」
ぼそりとが呟いた。
これは良い兆しか!?
でも、どこをどうと言われると…
少し考えてから、俺はスマホを取り出してストレージの中の個人観賞用エロ画像を表示してに見せながらスワイプして何枚か見せる。
見せれば見せた分、の身の毛がよだっていくのが見て取れる。
「いや、これは例だよ!例!俺、こういうのはファンタジーだってちゃんとわかってるから!強いて言うならこんな感じってだけで!」
に嘘はつきたくないけど、誤解も招きたくはない。
いいだけ俺の性的趣向を公開してスマホは引っ込めた。
のドン引きした目から逃れるように俺は視線を下げた。
しばらく沈黙が続いた後で、「私…」といつもと少し違うの声が聞こえて、を見上げた。
目が合うとは一瞬口を噤んで、
「アタシ…身体触られるの…怖いんだ…」
「うん、何となくそうかなって思ってた」
「痛いのも嫌だ…」
「それは誰だって嫌だろ」
「急に来られるのとかも…ちょっと…」
「うん、それは…ごめん」
今まで触ってもいいかちょこちょこ試してたから思い当たる節はある。
「が怖いこととか嫌なこととか、わかった」
「俺、女の子に触るのとか慣れてないし、キスもまだまだ下手だし、その他も全然上手くないかもしんないけど…俺、に世界一優しくする自信はある!」
はずっと黙って俺を値踏みするみたいに見ている。
いくらでも値踏みしてくれていい。
がちゃんと納得して許してくれなきゃ意味がない。
「最初からさっきの画像みたいじゃなくていい!むしろ画像みたいじゃなくて全然いい!何なら指先からだけだっていい!に触りたい!俺がに触ること、許してください!」
俺はまた床にデコがつくくらい深く頭を下げる。
もう言いたいことは言った!
あとはの判断に任せる!
で、審判の時を待つこと数分。
沈黙が長くてもっと経ってるように感じる。
そしたら。
「あのさ」
「はい!」
もう脊髄反射の勢いで頭を上げる。
視線の先には未だに眉を顰めた。