第5章 旨いバランス
いや俺もさ、誤爆で好きって言っちゃったし、その時のの反応とか、それからの二人の雰囲気とかで、(あれ?これ、ちよっとイケるんじゃ…?)って思ったから、密かにいろいろ試してはみてたんだ。
一緒にベッドに横になってる時にの指先にちょっと触れてみたりとか。
一緒にソファに座っててが俺の腕に頭を預けてきた時に、俺も少し頭を傾けて頭を預けてみたりとか。
でも、その度にが一瞬固まるのがわかる。
で、(あ、やっぱ、雰囲気で触るのはダメなんだな)って思った。
だから、今、頭を下げて正式な許可取りを敢行中。
そして、の第一声が。
「はぁ?」
めちゃくちゃ呆れたようなこの一言。
ちなみにその前の俺の第一声は。
「俺にセックスさせてください!」
うん、そりゃその返しになる。
でも、この願いはマジで切実。
「セックスって…あのさー、アタシは別にヤッたっていいんだよ?けど、甘井のがふにゃチンになるから出来ないんじゃん?」
うわ、痛烈ー。
ド正論過ぎて心に刺さる。
でも、今日の俺はそんなことでめげたりしない。
「それは今までのやり方だとダメかもしんないけど…俺、に触りたい!触りながらだったらイケる気がする!」
「……っ」
俺の勢いに気圧されてるのか、それとも何か思うところがあるのか。
が押し黙った。
俺は土下座の状態から少しだけ頭を上げて、の様子を仰ぎ見る。
は口を噤んで、ちょっとだけ頬を膨らませながら俺から目線をずらして何か考えてる。
え、何その顔…かわい。
「…ダメ、スかね?」
ちょっと押してみる。
少しだけ更にの頬が膨らんだ。
え、これって押せば押すほど膨らむの?
かわい。
「が嫌なところは触らないし!」
「なんなら途中でやっぱムリ!でやめるのも全然アリだし!」
「いきなりセックスまでいけなくても全然オッケーだし!」
「ただ…」
まくし立てすぎた。
ちょっと一回落ち着け、俺。
「ただ、俺からもに触りたいんだ…」
俺のプッシュで膨らみ続けたの頬から空気がプシューと抜けてった。
そして、ようやく俺を見た。
さっきの呆れた視線じゃない。
明確に困惑してる。
そんな目だった。