第5章 旨いバランス
「アタシさー」
紙コップの中身に視線を落としながらが口を開いた。
久しぶりにの声を聞いた。
それだけでちょっと泣きそう。
「今までいろんな男見てきたけど、紙コップで精液飲ませようとしてきた奴は初めてだゎ」
そう言って俺を見上げるの目に無感情以外で乗ってる温度が侮蔑でないことを祈って、「デスヨネー」としか返せない。
けど、は再び紙コップに視線をやると次の瞬間には口をつけて天井を見上げて煽っていた。
口をつけてもらえた嬉しさと、「うわ、いったー」っていう驚きが混ざった複雑な感情。
顔を下げたは飲みきった紙コップをまだ見ながら「あっまぁ」と呟いた。
よかった、ちゃんと甘くできてた。
俺が心底安心してると、紙コップに注ぎれていた視線が俺に移された。
の目が合う。
で、
「甘井、お前、どんだけアタシのこと大好きなんだよ」
ってフッと表情を和らげた。
笑ったワケじゃない。
無感情じゃなくなっただけ。
なのに、それが嬉しくて。
ずっと息を止めてた心がようやく呼吸するようで。
「そうだよ、俺がどれだけのこと好きかわかった…だ、ろ…」
全身がグワッと熱くなる。
何言ってんだ!俺!
何言っちゃってるんだよ!俺!
こんな変態行為した後に言う言葉じゃないだろ!
顔がさっきの比じゃないくらい熱い。
こんな顔、に向けたらもう言い訳しようがないってわかってる。
なのに、のリアクションが気になって見ずにはいられない。
恐る恐るの顔色を伺うと。
「え?」
たぶん俺と同じくらい真っ赤な顔をしたがいた。
こんなの表情、初めてだ。
を見て驚いた俺の顔を見て、初めて自分の顔の異変に気づいたのか、
「お前みたいな変態に好かれても嬉しくねーし!」
ってツン全開で顔を腕で必死に隠してた。
久しぶりの盛大なツンデレが堪らない。
もうこれだけであと三回はイける(たぶん)。
で、そんなのデレ顔をもっと見たくて調子にのって覗き込んでたら見事なボディブローをくらった。
晩飯食べてたらたぶん吐いてた。
うん、でもはこうでなきゃ。
こうして俺の見事な変態プレイのおかげでようやく仲直り?できた。