第5章 旨いバランス
俺は考えた。
俺がにできることって何だろうって。
でも、俺、バカだから結局良い考えなんて思いつかなかった。
そして、がシャワーを浴びに帰ってくるのを部屋で待つことしかできなくて、いつ帰ってくるかわからないを晩飯も食わずに待ち続けた。
ソファに座って、頭を抱えて、貧乏揺すりして、その時を今か今かと待つ時間はすごく長くて。
ドアが開く音が聞こえて思わず見た時計はまだ22時前で、意外に時間が経っていなくて驚いた。
部屋に入るなりシャワーに向かおうとする。
その背中に声をかける。
「」
が動きを止めて、ゆっくりとこっちを振り向いた。
無感情な瞳にウッと一瞬息が詰まったけど、無理矢理喉を開く。
「ちょっと話したいから、こっち、座って…くれま、せん、か…?」
ちょっと声が上擦ったし、最後なんとなく敬語になってすごくかっこ悪い。
無視されたら泣くかも…
けど、は少しだけ俺を見つめてから黙ってこっちに来てくれたし、俺が立ち上がってソファを勧めると、素直にそこに座った。
「ちょっと待ってて」
俺は急いで準備していた紙コップを冷蔵庫から取ってきて、に差し出した。
紙コップを受け取ったは中を覗いて眉を顰める。
うん、わかる。
そういう表情になるのはヒジョーによくわかる。
俺だってそうなると思うし、むしろもっと引くと思う。
「のこと考えて出したから…結構甘い、と思う…」
言ってて顔が熱くなっていく。
紙コップの中身は俺の精液。
いろいろ考えても俺がに差し出せるもので、が喜ぶものなんてコレくらいしか思いつかなかった。
だから、を思ってシた。
が初めて見せてくれた満面の笑みを思い出して。
が俺のTシャツ着て、シャワー上がってきたところを思い出して。
がベッドでリラックスしてゴロゴロしてる姿を思い出して。
三回もシた。
久しぶりだったから液体っていうよりもほぼゲル状のモノなのが逆に生々しい。
三回出して冷静になった頭で考えれば、紙コップに取った自分の精液を女の子に飲ませるとか、もうかなりアブノーマルな変態行為だってわかってる。
マジで穴があったら入りたい。