第5章 旨いバランス
たぶん俺、今すごい顔してる。
本当だったらもっと下手に出てのことを聞かなきゃいけないのに、腹がムカムカと煮えて語気が強まる。
「今の…どういう意味スか?」
けど、相手が三人だろうとどうでもいい。
最悪、俺がボコられるのだって構わない。
ただ、は、だけはそんな汚い手から守ってみせる。
そんな俺の覚悟が相手に伝わっているのかどうかはわからないけど、三人ともかなりタジタジしてる。
よく見るとそんなに陽キャな感じはしない。
いや、俺も他人のこと言えないけど、コイツらがをどうこうするように見えない。
「いや、なんか誤解してるって!俺ら、77番とゲームしただけだから!」
え?ゲーム?
「アイツ、いつも一人で格ゲーやってんだよ!」
俺の部屋にあったやつ?
「アイツ、めちゃめちゃ上手いから毎回負けんのが悔しくて、見かける度にチャレンジしてんの!」
確かに初めはめちゃくちゃ弱かったくせに、コツ掴んだらあっという間に俺じゃ歯が立たないくらい強くなってた…
「ハメ技がエグいけど、どうやったらそこまで持ってかせないか毎回試してるってだけだよ!」
身体から力が抜けていく。
気を抜いたら膝から崩れ落ちそう。
「いくら俺らモテないからってさすがにショタにまで手ぇ出さねぇって!」
よかった…まだのショタ設定が生きてて…
てか、俺がショタに手を出してるみたいに言うな。
「…そ、スか…いきなり、スミマセンした…」
崩れそうな膝に手を当てて、そのついでに頭を下げた。
三人も気まずそう。
「別にいいけどさー」と前置きを置いて、
「ケンカしたかなんか知らないけど、そろそろ許してやれよ。あんなにお前に懐いてたのに…見てるこっちが見てらんないっつーかさー」
そう苦言を呈するに連敗中のゲーマーに、他の二人が「ほっとけよ」とそいつの腕を引いて去っていった。
俺だって許されたい。
でも、どうしたら許されるのかわからないんだ。
ただ一つだけわかった。
は昔のに戻ったワケじゃない。
ちゃんと、俺と過ごしたがいる。
だから、俺が変わらなきゃいけない。
俺が変わらなきゃ変わらないんだ。