第5章 旨いバランス
次の日。
はいつも通りだった。
俺もいつも通り、にしたいけど夜に来る予定ののご褒美タイムを考えるとそうもいかなくて始終うわの空だった。
「ねー、甘井。聞いてる?」
「ん?あ…ごめん」
「何ボケッとしてんの?もう部屋に戻ろうよ」
そうだ。
今、昼飯食べたところだった。
だいたいいつも部屋に戻ってのキスブレイク。
で、俺のが落ち着くまで時間いっぱい部屋で休む感じ。
大丈夫。
昼はキスだけ。
昼はキス、だけ。
部屋に着けばいつものソファでいつものキス。
いつも通り気持ち良くて、いつも通り反応する。
うん、大丈夫。
ちゃんと反応してる。
この調子で夜も頑張れ、俺の俺。
少し安心して午後は何とか普通に過ごせた。
講習が終わって晩飯を先に済ませる。
その時点でがルンルンしてるのがわかる。
いつもニ、三個食べるデザートを一個にしてる。
美少年スマイル抜きにしてもニコニコしてる。
そんなを見てると一旦は落ち着いていた不安がまた燻りだす。
の期待に、応えたい。
大丈夫…
さっきはちゃんと反応してただろ。
大丈夫…
違う意味で高鳴る胸を落ち着けながら部屋に戻る。
部屋に入るなり背中をグイグイ押されてソファに向かわされる。
「あ…き、今日はシャワー浴びてからにしない?」
「なんで?いつもすぐするじゃん」
「いや、なんかキレイしてからの方がいいかな、て…」
「大丈夫。アタシ、そういうの気にしないから」
「いや、俺が気にするっていうか…」
「ダメ、待てない」
いつもは非力な方のだけど、こういう時だけはやけに力が強い。
あっという間にソファの前に連れてこられて、ドンッと押されて座らされる。
…逃げられない。
もすぐ上にやってきて、唇を重ねてくる。
でも、いつもと違う。
いつもの口の中を貪るようなキスじゃない。
唇を味わうみたいに。
なんか昨日から引き続いてなんでそんなキス。
本当、気持ち良さが段違い。
優しく舌を絡められて、絡めて、ちょっと吸われて、離されて、また絡めて。
口の中の気持ちいいところ全部撫でられて、その度に鼻から声が漏れる。
一度、口が離れるとが俺を見つめてくる。
「甘井、上手くなってるじゃん」
目が、すごく優しい。